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クウ動物病院 動物内視鏡医療センター  TEL: 06-6967-8668
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腹腔鏡で避妊手術をする理由

なぜ腹腔鏡手術?

why?

手術負担の軽減

腹腔鏡手術を始めとする内視鏡手術は動物に負担の少ない手術(低侵襲手術)と言われています。避妊手術においても3−5㎜程度の傷穴が3箇所で手術を行うことが可能です。傷口を小さくして手術を行えるのが腹腔鏡手術の大きな特徴でメリットではありますが、それだけが「痛みが少ない」=「負担が少ない」の理由なのでしょうか?

 
実際には傷口が小さいだけが腹腔鏡手術が低侵襲手術と呼ばれる所以ではありません。それについて少しご説明したいと思います。

腹腔鏡下避妊手術後の傷口

不妊化手術(避妊手術)の痛みや不快感はどこから?

手術をした際の痛みの原因についてはいろいろな考えがあります。手術をするためにお腹の皮膚や筋肉を切ることが痛みの原因?それともお腹の臓器を触ることが不快感を起こす? 実際にはどうなんでしょうか??
 
犬における不妊化手術において痛みがどこから発生するのか、それを研究した一つの報告があります。不妊化するには卵巣を切除する必要があります。卵巣はお腹に靭帯(じんたい)組織(詳しくは卵巣提索)と呼ばれる構造によって背中側に固定されています。卵巣を切除するにはこの靭帯組織を引っ張る必要が あります。この靱帯組織を引っ張ると痛みが発生することが研究で明らかになりました。(Boscan et al., 2012)また、この靱帯組織には多くの神経が走っており、そこに刺激が強く加わるとバソプレシンと呼ばれるホルモンの仲間である物質が血液に放出されます。これには血管を収縮させて血圧を上げる作用があります。ある研究では不妊化手術の最中に、お腹を切開する時や縫ったりする時よりも卵巣を引っ張った時が一番血圧が高くなることが明らかにされました。(Hoglund et al., 2014)

横たわる猫

痛みは皮膚の傷ではなくお腹の中から

従来、手術の痛みはお腹を切ることだと考えられていた時代には不妊化手術の際に傷口を小さくすることが良いと考えられ、小さな切開で手術がされていました。しかし、小さな傷では臓器をきちんと見ることが出来ないため、卵巣を摘出するには卵巣の靱帯組織を体外に強く引っ張る必要があったのです。しかし、これは先の報告を考えると実は動物に大きな負担であったことがわかります。小さな傷で痛みを小さくしようとしたことが逆に負担になってしまう可能性が出て来てしまいました。
 

腹腔鏡手術においてはこの卵巣と靭帯の切除は完全に体内で行います。そのため開腹手術と違ってほとんど引っ張る必要がありません。これによって手術後の痛みや不快感が軽減されると考えられていまます。この違いは非常に大きく、動物に与える負担(侵襲性)を小さくすると考えています。

犬の腹腔鏡下避妊手術の体腔内

腹腔鏡で行う不妊化手術(避妊手術)のデメリットは?

内視鏡/腹腔鏡で行う不妊下手術にもデメリットは存在します。一般的に腹腔鏡手術をはじめとする内視鏡手術は手術が開腹手術に比べて複雑になり、難易度があがる傾向にあると考えられています。それに伴い手術時間も長くなってしまう傾向にあります。また、専用の器具や設備などの開腹手術とは異なる施設も必要になってしまいます。それによってどうしてもコストがかかってしまうのもデメリットと考えられます。
このようなデメリットはありますが、研究では、多くの手術件数を持っている執刀医による手術では手術時間の延長や合併症の発生などのデメリットが減少することがわかっています。より熟練した執刀医による手術と共に手術にあたるチームによって内視鏡手術の持つ負担の軽減は生かされていくのです。
 

当院では多くの手術実績と内視鏡医療を目的とした施設の拡充などを踏まえて、可能な限りの負担(侵襲性)の減少と安全の担保努力を行っています。また、飼い主さんが実際にご不安なことに関してもお話をお伺いし、安心して手術を受けて頂ける様に執刀医が診察をさせて頂く様にしております。ご不明・ご不安な点はお気軽にお伝えください。

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