腹腔鏡手術のデメリット
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腹腔鏡手術には多くの特徴があり、動物が得られるメリットには大きな物が多いのが事実です。しかしながら腹腔鏡手術にもデメリットが存在することも事実です。
当院ではこれらの問題にも様々な努力と対応をすることで安全性の確保と有用性の両立に全力を尽くしています。
手術手技が高度であり習熟には時間がかかる
当院では前進となるクウ動物病院本院にて2006年に腹腔鏡機器を導入し内視鏡による検査や治療、内視鏡手術に対応しています。年間に多くの手術に携わることでその技術の発展に力を注いでいます。2017年にはクウ動物病院動物内視鏡医療センターとしてより進んだ治療に当たることが出来るような環境整備を心がけています。
また、執刀する獣医師(吉田)は日本獣医内視鏡外科研究会の技術認定レベル1−3までを取得(※1)し、研究会理事としてもこの手術領域における技術と安全の日々進歩に精進しています。
手術時間が長くなる傾向がある
一般的に開腹手術に比べて時間がかかる傾向にあると言われています。報告ではおおよそ2倍の時間がかかったという報告もあります。しかし、手術例の増加(経験の増加)によりその手術時間は短縮されることが報告されてもいます。そのためには、多くの手術実績が必要であり、数十例の手術例が必要とされています。
当院では十数年間の実績によりこの手術時間の改善が可能となっています。
手術にコストがかかる
内視鏡手術のための機器は様々なものがありますが、当院で用いている内視鏡機器は人間の内視鏡外科手術(腹腔鏡・胸腔鏡)に用いることのできる機器を使用しています。ハイビジョン映像で確認することのできる機材です。また、その他の機器、消耗品も人間用のものを使用するために公的保険のない動物医療においてはコストがかかってしまっています。飼い主さんへの負担をおかけしていますが、入院期間の短縮などにより一部では開腹手術と変わらなくなってきています。
麻酔管理などが高度である
腹腔鏡手術では気腹と呼ばれるお腹の中に炭酸ガスを注入して手術を行います。このため、動物の循環器(血液の流れ)や呼吸器(空気の流れ)の機能が変化します。通常の開腹手術よりは麻酔および呼吸の管理が複雑になります。これを可能にするには麻酔担当のスタッフの熟練と麻酔・人工呼吸器の性能にかかっています。当院では麻酔専門獣医師の招聘を行い、専門医による指導の下で手術を行い、スタッフの育成にも力を注いでいます。
また、麻酔器も人用の高性能な機器を使用しています。人の新生児にも対応出来る高精度の管理が可能となる麻酔器です。これらの努力を惜しまないことにより安全性の向上に努めています。
執刀医
執刀医の紹介
院長 | 吉田宗則 |
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所属学会 | 日本獣医麻酔外科学会 日本獣医内視鏡外科研究会 日本獣医がん学会など |
役職 | 日本獣医内視鏡外科研究会理事 日本動物病院協会学術委員など |
資格 | 日本獣医内視鏡外科研究会技術認定レベル1−3など 現在は教育講演および審査委員 |
講演 | 内視鏡手術に関する様々な講演 |