腹腔鏡下避妊手術を受けていただくまで
2026年8月現在
避妊手術を受けていただくまでには、手術の前に一度ご来院いただくところから始まります。当日いきなり手術、という形はとっていません。
このページでは、ご予約から手術、抜糸までに何をするのかをご説明します。腹腔鏡でなぜ負担が少ないのかという手術そのもののお話は、腹腔鏡で避妊手術をする理由にまとめています。
1全体の流れ
1 ご予約とご来院(診察)
健康状態と成長の具合を確認し、手術の内容をご説明します。ここで手術の日程を決めます。
2 血液検査
手術の2週間以内にお願いしています。診察と同じ日に受けていただけます。
3 手術当日
ほとんどの場合は日帰りです。(全身状態によっては入院をお願いすることがあります)
4 再診(術後1週間)
傷の状態を確認して抜糸します。
時間の流れを図にしたものを手術の流れのページに置いています。
2手術の前に、一度ご来院いただいています
避妊手術は、病気の治療ではなく、飼い主さんに選んでいただく手術です。だからこそ納得していただいたうえで受けていただきたいと考えています。
手術当日にまとめて検査とご説明を、という形にすると、お話をする時間が十分にとれません。ご不安な点をお伺いすることも、その子の成長の具合を見て時期を相談することもできなくなります。そのため、手術の前に一度ご来院いただくようお願いしています。
遠方の方、お仕事の都合がつきにくい方へ
「二度の来院が難しい」「先に手術の仮予定を立てておきたい」といったご事情がある場合は、あらかじめお電話でご相談ください。ご事情に合わせて調整できることがあります。
ただし、すべてのご希望にお応えできるとは限りません。あらかじめご了承ください。
※ご予約はインターネットまたはお電話で承っています。上記のご相談はお電話でお願いします。
3診察と検査で確認すること
健康状態 全身麻酔をかける手術ですので、まず身体検査で状態を確認します。問題がないと判断できた場合に、手術の日程を決めていきます。
血液検査 身体検査で問題がない場合も、最低限の血液検査をお願いしています。年齢によっては、より詳しい血液検査や画像検査をおすすめすることもあります。手術の2週間以内にお願いしているため、診察と同じ日に受けていただくのがスムーズです。
成長の具合 避妊手術は、生後半年前後を目安に、しっかり成長した子で可能になります。ただし成長の速さは、その子によっても、種類や環境によっても変わります。
当院は、月齢ではなく成長そのものを見て判断しています
成犬時の体重が20kg以上になる犬では、1歳未満での避妊で関節疾患のリスクが高くなるという報告があります(Hartら, 2020)。20kg未満の犬では、こうした増加は認められていません。
そこで当院では月齢だけで決めるのではなく、まだ成長が続きそうな子は最初の発情を待ち、成長が止まっている子は発情前に、というように成長の状態を見て判断しています。
同じ大型犬でも犬種による差が大きいことなど、時期の考え方についてもう少し詳しくは腹腔鏡下避妊手術の専門サイトのよくある質問にまとめています。迷われる場合は、診察の際にご相談ください。ご家族が何を優先されたいかによっても、お答えは変わります。
発情中の場合 発情中でも手術は可能です。ただしあらかじめお伝えしておきたい注意点がありますので、診察の際にご説明したうえで日程を決めさせていただきます。
4手術当日
お食事は前日の24時までに済ませてください
前日の24時を過ぎたら、お食事は与えないでください。おやつも同じです。
お水は3時間前まで飲ませていただけます
お食事と違い、お水は3時間前までいつもどおりで構いません。何時までかは、ご予約の際に具体的にお伝えします。
ご来院は午前中です(ご予約が必要です)
午前中であれば、お時間はご都合に合わせてお決めいただけます。ご予約は必要ですので、診察の際にご相談ください。
手術は3〜5mmの傷を3か所に開けて行います。終わったあとは3か所を縫合します。手術そのものはおよそ30分のことが多いのですが、体格や状態によって変わります。
問題がなければその日のうちにお帰りいただけます。全身状態が不安定な場合には、入院をお願いすることがあります。
5手術のあとのこと
消毒や包帯の交換は要りません
ご自宅での消毒や包帯の交換は必要ありません。傷の様子を見ていただくだけで大丈夫です。
エリザベスカラーより、術後服をおすすめしています
傷は小さいのですが、本気で咬んでしまうと開くことがあるため、保護をお願いしています。カラーは動物にとって不自由な部分が大きいので、当院では術後服(エリザベスウェア)をおすすめしています。カラー・術後服とも病院にご用意があり、ほとんどのサイズがそろっています。
抜糸は1週間後です
術後1週間で再診にお越しください。傷の状態を確認して抜糸します。
お帰りになった当日の食事の与え方やお散歩の再開時期については、専門サイトのよくある質問で詳しくご説明しています。
6費用について
避妊手術については、手術と麻酔をまとめたセットの費用としてご案内しています。術前の検査・お薬・術後服などは別になります。
同じ「手術費用」という言葉でも、何が含まれているかは病院によって違います。何にお金がかかっているのか、費用に幅が出るのはなぜかを内視鏡手術の費用と設備のページでご説明しています。具体的な金額は、診察のうえでご案内します。
参考文献
- Hart BL, Hart LA, Thigpen AP, Willits NH. (2020) Front Vet Sci 7:472. 雑種犬における避妊・去勢の時期と関節疾患・腫瘍のリスク(体重区分別の解析)。論文はこちら
当院でのご相談
「そろそろ時期でしょうか」「うちの子は腹腔鏡でできますか」といったご相談は、診察としてお受けしています。まずは一度、お連れください。
はじめてご来院の方は 初診の患者さんへのご案内 もあわせてご覧ください。初診問診票を事前にご記入いただくと、当日の受付がスムーズです。