ワクチン接種 Q/A
気になる点は?
ワクチンの接種間隔に関して
飼い主さんからよく頂く質問に関してお答えしたいと思います。ただし、これは現時点での見解であり、今後も変化することが想定されます。また、ワクチン接種の必要性に関してはそれぞれの患者さんによって異なりますのでご心配な場合は必ず獣医師とご相談して頂く様にお願い致します。
なぜ3年間隔ではないの?
欧州各国の獣医療では、世界小動物獣医師会(WSAVA)の考え方が広く受け入れられており、コアワクチンの追加接種はおおむね3年毎が標準です。ただ、日本では1年毎の追加接種が多く行われています。それにはいくつかの理由がありますが、大きな理由の1つは日本においての根拠となる情報の不足です。海外では接種間隔を伸ばすことに対する科学的データの積み重ねを行っていますが、日本ではそれが行われていません。接種間隔が3年で大丈夫か?という答えに誰も答えることが出来ない状況なのです。
残念ながらほとんどありません。
日本国内でのデータは2016年に報告された178頭に対するデータがあります。これは抗体価がどのように低下していくかを調べたものであり、接種後2年から低下していくことを示しています。ただし、比較したイヌの数が少なく、バラツキも多いことがわかっています。また、ワクチンの種類や住んでいる地域もまちまちで科学的なデータとしては弱い物となっています。
これはとても意味のある報告ではありますが、このデータだけを持って日本の状況を考えるのは難しいと考えられます。今後もデータの蓄積が必要です。
「犬コアワクチン接種後の経過年数による抗体保有状況の推移」(相馬武久ら,日獣会誌 69(9):538-541, 2016)
明確に示しているメーカーは少ないです
よく耳にする「用法用量を守って使用しましょう」という言葉があります。薬品はメーカーが添付する”説明書”に従って使用されます。ワクチンも国に認可された薬剤である以上、説明書があります。海外ではメーカーが”免疫持続期間”を明記して販売されています。これは国や地域に認可を受ける際に必要とされます。ワクチネーションの最低の保証期間です。しかし、海外で明記しているメーカーも国内では説明書には何も書いていません。獣医師の判断に任せるという状況になってしまっているのです。そのため、現在の習慣(1年毎の接種)から変化をしづらいという状況もあると考えます。
明確に示しているメーカーは少ないです
よく耳にする「用法用量を守って使用しましょう」という言葉があります。薬品はメーカーが添付する”説明書”に従って使用されます。ワクチンも国に認可された薬剤である以上、説明書があります。海外ではメーカーが”免疫持続期間”を明記して販売されています。これは国や地域に認可を受ける際に必要とされます。ワクチネーションの最低の保証期間です。しかし、海外で明記しているメーカーも国内では説明書には何も書いていません。獣医師の判断に任せるという状況になってしまっているのです。そのため、現在の習慣(1年毎の接種)から変化をしづらいという状況もあると考えます。