犬のレプトスピラ症は大阪でも発生しています
公開日: 2026年7月25日 / 執筆・監修: クウ動物病院 動物内視鏡医療センター
世界小動物獣医師会(WSAVA)が2024年に改訂した最新のワクチン接種ガイドラインで、レプトスピラ症のワクチンが「コアワクチン(すべての犬が受けるべき基本のワクチン)」に格上げされたことをご存知でしょうか。これまでは「地域によっては推奨」という位置づけでしたが、発生地域ではすべての犬に接種が強く勧められるものへと変わりました。
出典: WSAVA Vaccination Guidelines 2024(公式PDF)
「聞き慣れない病名だから、うちの子には関係ない」と思われるかもしれませんが、実は大阪でも過去に深刻な集団発生が起きています。今回は、レプトスピラ症の基本と、大阪での実例、日常でできる予防についてご紹介します。
レプトスピラ症とは
レプトスピラ症は、レプトスピラという細菌による感染症です。ネズミなどの野生動物が保菌しており、その尿で汚染された土や水に触れることで感染します。人にもうつる人獣共通感染症の一つで、飼い主さんご自身の健康にも関わる病気です。
症状と診断
主な症状は、発熱、元気・食欲の低下、嘔吐、黄疸(白目や歯茎が黄色くなる)、出血しやすくなる(血尿や粘膜の点状出血)などです。急速に症状が進行し、命に関わることも少なくありません。
診断には血液検査や画像検査に加え、遺伝子検査(PCR)や血液中の抗体を調べる検査などを組み合わせます。
大阪でも実際に発生しています
2017年10〜11月、大阪府内で犬のレプトスピラ症の疑いのある症例が11頭報告され、そのうち9頭が亡くなるという集団発生がありました。感染した犬の多くが同じ河川敷を散歩コースにしていたことがわかっており、飼い主さんの生活圏のすぐそばに感染のリスクが潜んでいることを示す事例です。
出典: 日本獣医師会雑誌 72巻3号「大阪府内で発生した犬レプトスピラ症集団発生事例」
- 河川敷や公園の水たまり
- 雨上がりの側溝
- 川遊びやキャンプなどのレジャー先
- 特に7〜10月(梅雨から秋にかけて)は発生が増える時期です
どうしたらいい?(日常でできる予防)
- レプトスピラを含む混合ワクチンの接種(年1回が目安)
- 散歩コースの見直し(河川敷・水たまり・雨上がりの側溝を避ける)
- 感染している可能性のある動物との接触を避ける
- 川遊びやキャンプの予定がある場合は、出発の2〜3週間前までに接種を済ませておく(免疫がつくまで時間がかかるため)
「ワクチンを打っていれば絶対安心」というわけではなく、日本にはワクチンでカバーしきれない種類のレプトスピラも存在します。この点については、別記事「レプトスピラのワクチンは効かない?血清型の話」で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
当院でのご相談
「うちの子のワクチンにレプトスピラが含まれているかわからない」「発熱や元気消失など、気になる症状がある」という場合は、お気軽にご相談ください。ワクチン接種についてやワクチネーションプログラムもご覧いただけます。
はじめてご来院の方は 初診の患者さんへのご案内 もあわせてご覧ください。初診問診票を事前にご記入いただくと、当日の受付がスムーズです。